【豆知識】DTMって何? 基礎から解説・音楽制作の初めの一歩

目次

1.DTMとは

DTMとは「Desk Top Music(デスクトップミュージック)」の略で、
パソコンを使って音楽を作ることを指します。

出版業界では古くからDTP(Desk Top Publishing:デスクトップパブリッシング)といってパソコンを使って文字入力やレイアウトをしていました。DTMはそれの音楽版です。

昔は音楽制作といえばスタジオや高価な機材が必要でしたが、今ではパソコン1台あれば、自宅で本格的な楽曲制作ができる時代になりました。

2.DTMでできること

DTMを使うと、こんなことができます。
主にDAW(デジタルオーディオワークステーション)というソフトを用います。

  • 作曲(メロディ・コード作り)
  • 編曲(楽器の構成を考える)
  • 打ち込み(ドラムやベースを入力)
  • 録音(ボーカルやギター)
  • ミックス(音のバランス調整)
  • マスタリング(仕上げ)

つまり、音楽制作のすべてをパソコン上で完結できるのがDTMです。

3.DTMの歴史

現在ではパソコン1台で本格的な音楽制作ができるDTM。しかし、その背景には長い技術の進化の歴史があります。ここでは、MTRによる録音時代からMIDIの登場、そして現代のDAW環境に至るまでの流れを分かりやすく解説します。

MTRによる録音

当時、まだDTMやDAWという言葉がなかった頃、PCですら一般的でなかった頃、楽曲製作はもっぱらMTR(マルチトラックレコーダー)を使用していました。記録媒体は磁気テープ。いわゆるカセットテープです。

懐かしの4トラックMTR

一般的なカセットテープはステレオ2チャンネル×両面で4チャンネルです。MTRはこの4チャンネルを使って、4トラック分の楽器の録音をしていました。その後MTRはHDD(ハードディスク)レコーディングへと、アナログからデジタル録音へと進化していきます。

MIDI規格とは

シンセサイザーなどのデジタル機器とコンピューター間で「演奏情報」をやり取りするための通信規格がMIDI(Musical Instrument Digital Interface)です。音そのものではなく、「どの音を・どのタイミングで・どの強さで鳴らすか」といった指示データを送るのが特徴です。これにより、シンセサイザーやドラムマシンなど複数の機器を同期させて演奏できるようになりました。

MIDIのメリット

・データが軽い(音声ではない)
・編集が容易(テンポ・キー変更など)
・機器間の互換性が高い

MIDIの普及によって、今までの「音」自体を録音するのではなく、どの鍵盤で何のキーを押したかという演奏情報のみを記録することにより、音データよりも軽く、演奏後もミスタッチを修正できたりと、プロの演奏家でなくても音楽制作が身近になりました。

パソコンとシーケンサーの普及

1990年代に入ると、パソコンの性能向上に伴い、MIDIを扱う「シーケンサーソフト」が登場します。これにより、ハードウェア機器に頼らず、パソコン上で演奏データの入力・編集ができるようになりました。

当時はまだ音そのものは外部音源(シンセサイザーなど)で鳴らす必要がありましたが、画面上で楽譜のように編集できるなど、現在のDTMに近い制作スタイルが確立されていきます。

この頃には音源モジュールというMIDI機器が普及します。
音源モジュールとは、音を生成する機能に特化したハードウェア機器のことです。鍵盤(キーボード)は付いておらず、MIDI信号を受け取って音を鳴らす仕組みになっています。

音源モジュール

この頃から「打ち込み」というデータ入力が一般化していきます。打ち込みとは、パソコン上で音符やリズムを入力することです。リアルタイムの演奏を記録するのではなく、たとえば4分音符のドミソを記録したい時、シーケンサー上で、音符の長さを指定して、鍵盤でドミソと弾きます。シーケンサーには4分音符のドミソが記録されます。他にもシーケンサー上のタイムラインに直接マウスをクリックすることで音符を作成する事も打ち込みと言います。

打ち込みによって、リアルタイムで鍵盤が弾けない人でも、記録した通りに演奏することが可能になりました。

MIDIと音源モジュールの関係

音源モジュールは、MIDI規格と密接に関係しています。MIDIは演奏情報をやり取りするための規格であり、そのデータを受け取って音に変換するのが音源モジュールの役割です。

当時のDTM環境では、
「シーケンサー(演奏データの作成)」+「音源モジュール(音の再生)」
という組み合わせが基本でした。

DTMやパソコン通信を楽しむ個人ユーザー向けに発売されたのが、Roland SC-88シリーズや Yamaha MU1000などの音源モジュールです。SC-88はGM/GS規格に対応した高品位な音色で、多くのDTMユーザーに支持され、MU1000はXG音源としてより表現力豊かなサウンドを実現しました。

当時はインターネットが普及する前で、「パソコン通信」と呼ばれるネットワークサービスを通じてMIDIデータが共有されていました。ユーザー同士が自作の楽曲データをアップロードし合い、同じ音源モジュールを持っていることで、ほぼ同じ音で再生できるという楽しみがありました。またPCゲームもGM/GS規格、XG音源に対応したソフトも発売され、パソコンから鳴る音とはワンランク上のサウンドが楽しめました。

これらの音源モジュールは現在の音楽制作ソフトやデジタル配信の原点ともいえるものでした。

DAWの登場:すべてがパソコンの中へ

2000年代に入り、DTMは大きな転換期を迎えます。それがDAW(Digital Audio Workstation)の普及です。

DAWは、録音・編集・ミックス・マスタリングまで、音楽制作のすべてをパソコン上で完結できるソフトウェアです。これにより、従来は別々の機材で行っていた作業が一体化され、制作効率が飛躍的に向上しました。

さらに、ソフトウェア音源(ソフトシンセやサンプリング音源)の進化により、外部機材がなくても高品質な音を扱えるようになり、完全に「パソコン1台での音楽制作」が現実のものとなりました。

誰でも音楽を作れる時代へ

現在では、高性能なDAWや無料の音源・プラグインが数多く登場し、初心者でも手軽に音楽制作を始められる環境が整っています。さらに、インターネットを通じて作品を世界中に発信できるようになり、音楽制作のハードルは大きく下がりました。

かつては専門的な機材やスタジオが必要だった音楽制作が、今では個人レベルで完結できる時代になっています。

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